そして、アメリカにおける価格設定は、一定の仕入れ原価に卸売業が販売するまでに要する諸コストをプラスしていく方法がとられている。
これを“コストプラス方式”と称している。
ただし、本稿では便宜上、架空の数値を用いて比較検討する。
第一に卸売業にかかってくる主要コストとして、仕入れに関する登録諸費用が発生する。
これは、メーカーに商品をオーダー(発注)するコストから入荷の際のコンピュータ登録費等の経費である。
これらは、両社ともコンピュータによる情報システムを構築していることから、オペレーターの人件費等はほぼ変わらないものと考え、ここでは仮に50ドルとする。
第二は、小売店にデリバリー(配送)するまでのウェアハウジング(倉庫内作業)のひとつである商品の保管コストである。
仮にA社ではウェアハウスの償却費、仕入れ資金の借入れ利息、ロケーション設定と保管作業に要する人件費等(冷凍・冷蔵商品の電気料)が50ドルかかるとする。
これに対しB社では、ウェアハウス(倉庫)の減価償却費が少なく、また高効率の物流システムを構築していることもあり、40ドルのコストとなっている。
第三に発注するのは、小売店からの発注に基づく商品のピッキングを中心とするウェアハウスのオペレーティングーコストである。
A社は一応コンピュータを使って、ピッキングーリストの抽出によるピッキングを実施し、40ドルのコストがかかっている。
これに対しB社では、フルラインのオートメーション化と重要部分のマニュアル化というような物流システムを構築し、ウェアハウジングの生産性を向上させている。
その結果、人件費が大きく削減され、また適切なレイバースケジューリングーシステム(労務管理)により、ウェアハウスのオペレーティングーコストはA社の半分の20ドルというローコスト化を実現した。
第4の主要コストは、小売店へのデリバリー(配送)にかかわるコストである。
A社ではエリア内において定期配送の計画化を行い、地域(方面)別の配送ルートを組んでいる。
ドライバーの人件費とトレーラーの減価償却費、燃料費等をプラスすると、100ドルのコストがかかっている。
これに対しB社では、オーダーエントリーシステムから始まる一連のコンピュータ処理と、そのデータの高度利用による高効率ウェアハウジングを構築している。
たとえば、単品当たりの容積、配送する全店の距離と所要納品時間等を計画した最適なルート設定、ドライバーの運送時間の標準化(サボるとすぐにわかるシステム)等を緻密にプログラム化している。
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